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建築家・設計事務所のしごと

ronchamp.JPG  □■ 芸術として建築をとらえ、素晴らしい作品の創作に生涯を捧げ、私たちのお手本となる建築家がいらっしゃいます。建築の可能性やコンセプト、斬新なアイデアに重点が置かれている場合、それが許されるのは、ほんのひとにぎりの方々なのです。
一般的な建築物では「美」以前に「強さ」「使い勝手・性能」が優先されます。
しかしながら、技術・実務だけではなく、建築の面白さや美しさ、理想、哲学を置き去りにして、建築家・設計事務所はあり得ません。
ここが難しいところです。

 

 ロンシャンの礼拝堂 ル・コルビジェ設計

 

 □■ 地道な作業ですが、時代を超えて連綿と引き継がれてきた、建築設計の常識や技術・伝統を形にして遺し、次の世代に繋いでいくことは、建築家・設計事務所の仕事だと思います。
(実は、ほとんどの設計事務所は、モニターとにらめっこしながら、できあがった建物を夢見つつ、夜遅くまで細かな作業をしています。)

また、不安を抱えている建て主さんに、適切な判断をしてもらえるよう、助言すること、これも建築家の大切な仕事です。


□■ 建築家が、少し流行ってます。
メディアのおかげでしょうか。いろんなものを作り、施工に関わる建築家もいるようですが、それは建築家本来の姿ではありません。
設計と施工を分離し、施主の代理人として施工の監理をしてこそ、私たち建築家・設計事務所の存在意義があります。

ATS造家設計事務所 一級建築士事務所(京都府登録)
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