2006年08月 >  2006年02月

大津にある園城寺(三井寺)は、桜や紅葉がきれいですが、金堂の檜皮葺き屋根も美しいと思います。 建物正面から少し離れてご覧ください。 あの大きなスケールの屋根をなんと かろやかに、そして流麗にみせていることでしょう。 少し高い位置に取り付けられた高欄も良いバランスです。 時代を超えた棟梁の、デザイナーとしての力量に敬服するばかりです。     写真は、ある寺院の本堂屋根瓦葺きの・・・

左官の壁は、日本建築の象徴です。 割り竹を縦横に組み、縄を巻き、藁すさの入った壁土を塗り込みます。 下塗り、中塗りの後、できれば一年くらい乾燥させて仕上塗りを施し完成です。 ソリッドで、芯までそのものである土壁は、拳骨で軽く叩くと心地良い音が返ってきます。 伝統建築の特徴は粘り強いこと。軸組みが斜めに傾きながら地震の力をいなします。 それには柱と柱の間を横に貫く、この「貫(ぬき)」と言われる薄い・・・

実物大の図面を原寸図といいます。 近代建築では、原寸の立面図を作成する機会はあまりありませんが、寺院建築では必ず原寸図を描き、屋根の垂れ方、軒先の反り方、細かな部材の寸法、構造材の納まりなどを確認し、図に合わせて型板を作り、その型板を材木に当てて削り出していきます。 こんな仕事を知ってしまえば、大工はやめられないでしょう。 できることなら設計だけでなく、技術を身につけて、自分の手で拵えてみたいも・・・

丸柱と枡組のオブジェが目印の外観 とろろ昆布のような鉋屑。 匂いも嗅げます 神戸の竹中大工道具館では、現在「削る」をテーマに、鉋(かんな)の特別展を開催しています。 日本の大工技術の素晴らしさは申し上げるまでもありませんが、それは大工道具の進化にささえられています。 鉋だけではなく、板材を拵える大小の鋸(のこぎり)、仕口の細工を彫る鑿(のみ)など、種類の多さにも圧倒されます。 墨付けから始まって、・・・

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