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住まいと子供

子ども達の元気良さが、少しずつなくなってきました。
辛抱、我慢ができない、根気もない、自発的に行動しない、
家から出ない、外で遊ばない・・・。

親がなんでもお膳立てし、口出ししすぎるのも原因だそうです。

社会全体として、子ども達の成育環境を変えていかなくてはなりません。

文明や近代生活を、少し後戻りさせることはできないことですか。

物の豊かさではなく、時間に追われず、人として毎日の暮らしそのものを
楽しむことができるようになれば良いと思います。

高層マンションが更地になって、いも畑になるなんてことは
私の頭の中だけの想像でしょうか。



世の中を急に変えることはできません。
でも子ども達のために、今できることがあります。

家の前の地面はコンクリートですか?だったら土に戻して下さい。

小さくてもよいのです。オープンスペースには木を植え、野菜を育て、
虫を呼んで子どもたちに還しましょう。
雑草も生えるし、クモやナメクジだってきます。
子どもが泥んこになっても怒らないで下さい。

きれいな情景を素直にきれいと感じる感受性、
生命をいとおしむ情緒性などの感性は
小学校に入る頃には、でき上がってしまうそうです。

子どもの感性は家と家族を感じながら、小さな自然の遊びの中で育まれます。
公園ではなく、家の横にあることに意味があるのです。

きれいだね、おもしろいねと声をかけてあげて下さい。

さあ、子どもと一緒に土いじりから始めてみませんか。



まちぶせの網をそっと仕掛けて、ドンコを捕ろう。

凧糸の先にイカの足を結んで、ザリガニを釣り上げよう

神社の縁の下にあるアリジゴクに、アリをつまんで入れてみよう

しいの木を蹴って、クワガタを落とそう

お腹がぺこぺこになるまで、外で遊ぼう

きたない服を着て、遊びに出かけよう

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