京都府福知山市 臨済宗南禅寺派 海眼寺 庫裏 改装工事 が始まります。

いつものように、知らない街の福知山をぶらぶら。
江戸時代には城下町として、明治維新以降は紡績の町として栄え、道路は江戸時代の町割がほぼそのまま遺されてるそうです。
町の周縁には寺院を集めて寺町とし、鋳物師町や呉服町など当時を偲ばせる地名が残っています。

 

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左:城下町である福知山のシンボル、福知山城。一層目より二層目のほうが張り出していて面白い形です。 構造的に不安定になりますので、木造の高層建築物ではあまり見られません。
右:氾濫を繰り返す由良川ですが、山そして川のある景色はまさしく日本の風景で、親しみと懐かしさを感じます。

 


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左:浸水の水位。民家の2階にまで達しています。
中央、右:おちつきのある街並み。

 

 

 

 

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左:今回、リフォームと耐震補強をする海眼寺 庫裏です。
右:二層目に鐘楼を乗せた山門。綺麗な形です。

庫裏(くり)とは住職やご家族のお住まいのことで、大抵の場合檀信徒さんがお使いになる座敷や書院、寺務所などを兼用する建物です。
昭和34年に新築され約50年強の風雪に耐え、この度リフォームの運びとなりました。
伝統工法で建てられた建物の耐震補強は、ただ強度を上げれば良いというものではなく、適度に傾きながら地震の力をいなして崩壊を防ぎます。
京都の町家などにも通じるところがあり、良い機会ですので工事の経過を今後順を追って報告させていただきたいと思います。

お寺さんは「海眼寺のはな子さん」という楽しいブログをお持ちで、副住職が寺の出来事や境内の様子、仏教や禅の教えなどを愛犬のはな子さんの日常と共に紹介されています。

 

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まずは解体の様子から。
床下など見えないところには転用材が使われています。
昔は柱に使われていたのでしょう。所々壁下地の貫材を通す穴が開いています。
古い材木は交換、柱が乗って取れない土台は貫穴に埋木を施して再利用です。

   

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屋根にも転用材が多く使われています。大きな丸太梁が縦横に組んであり、迫力あります。

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